最近ではスマホのカメラも高性能化してきてほとんどの用途では十分過ぎる性能を持っている。
最もその性能はデジタル処理によるところも大きくて、予め光学的だったり物理的な性能の低下がわかっているならデジタル処理でカバーしてしまう事でそれらの問題を目立たなくしてしまうというか、全くわからなくしてしまう事もできてしまう。
最近の機種では単に光学系の補正だけではなく、画像の特徴点を抽出したりAI技術を用いたりして画像を補正する事で背景を認識してボケを調整したり、景色から色合いを調整するなんて事もやってのける。もちろん外れる事もあって異世界のような色合いになってしまう事もあるのだけれど。
フィルムカメラの時代であれば高度な光学設計とかメカの設計技術とかが注目されてきたけれども、現在では光学技術ももちろんだけれどソフトウェアによる画像処理をいかにうまくこなすかという事も重要になってきている。
そんな後からソフトウェアで補正した画像は本物と言えるのかという意見もあるかもしれないが、そもそもレンズやフィルムの味云々と言われていたりするように、レンズにもフィルムにも特性はあるわけで、究極的にはレンズを通してフィルムに焼きついた画像であっても本物と言っていいのかどうかという話になってしまう。暗室で印画紙に焼き付ける作業で写真の出来が決まるなどという人であれば尚更のことだ。もちろん印画紙にも特徴があったりする。
それはそれとして。
ニコンが最終赤字になり従業員削減を発表した。国内の従業員は減らさないというが、デジカメ本体の生産を宮城県からタイに移すという。
新型コロナ:ニコン、海外2000人削減 カメラ業績悪化で生産集約 :日本経済新聞
ニコンはデジタル一眼レフなどもリリースしていたけれど、”レフ”ではなくミラーレスとなるとちょっと出遅れた感じは否めない。レンズを取り付けるマウントを長年に渡って互換性を取り続けてきたことでユーザにとっては好意的に受け入れられていたかもしれないが、互換性のために複雑になりすぎていた感じもある(私には何がなんだかわからない)。
流石にミラーレスになることでミラーが動作するスペースが不要になった事もあってマウントを変更したけれど、仕方ない事だけれどもとても間が悪かったとしか言いようがない。同時期にはソニーという強力なライバルが現れてきていたので、乗り換えの良いタイミングだと考えた人も多かったのではなかろうか。逆に言えばソニーにとっては渡りに船だったと言える。
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